私は16年前、キャンプ場でもやろうか…と軽い気持ちから静岡県富士宮市の大地主、佐野肇氏の家を訪ねた時の事です。庭には噴水がふき出し、池には大きな魚が沢山いる。緑青々とした素晴らしい屋敷でした。そこで佐野氏は自分の見つけた泉から自宅まで約600mもの間を150mmのパイプで水を引き、庭に満たしている事を話したのです。そして、この水を飲むと病気も無く、吹き上げる噴水のしぶきを吸い込んでこれぞ健康の秘訣…と言ったのです。そして、池を見ると1m程の大きな鱒が池にぎっしりとつまっていたのです。(ほんとうにこんな状態でした)びっくりした私に、佐野氏はこの水で鱒を飼うと、エサもろくに与えないでも、皆数年でこんなになっちゃうのですと言いながら、一番大きなのを取って、刺身にして食べてしまいました。この時、佐野肇氏は83才でした。いつも軽トラを運転しながら、私を山へと案内してくれました。当時38才だった私は、その健脚ぶりにとてもついて行けませんでした。
この時、私はその湧水がでる水源でオートキャンプ場を造る事を決断しました。そしてテーマは「富士山のミネラルウォーターランド」でした。この水を世の人達に広く知って欲しかったからです。
キャンプ場の建設中、その水源の水をポンプアップする時、佐野氏に水源の由来について初めて聞かされました。
この泉は当時から24年程前、佐野氏が山の点検中、たまたま川沿いに水のしみ出る場所を見つけて、石を動かしたとたん、大量の水が噴き出したと言うのです。そして、それを聞いた村の人達が周囲数十メートルの場所をあちこち掘ってみたが、この場所以外、一滴の水も出なかったそうです。今でもその時の穴がいっぱいあります。この水源は真下から日量400トンも出ており、周りを掘っても出るわけが無い構造になっていました。まさに泉を形成しているのです。これが何らかの理由で石で塞がれて何千年間もうずもれていた事が分かりました。その原因が人工的か、それとも川の氾濫か ? 私には分かりません。でも佐野氏はまぎれもなく日量400トンも出る泉を発見したのです。この量は年間を通じ、全く変化しません。これは重要なことで、付近の湧水は季節により量が変化します。すなわち降水の影響を受けて、水量が変化する水は浅いところの水と考えられます。含有するミネラルからも、いかに深層から来る水かが分かります。